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2011年5月31日

先日、頂いたお電話で「先生の所は床矯正をやっていますか?」と聞かれました。

???

この「床矯正(しょうきょうせい)」という言葉ですが、矯正医は使いません。

とても変な言葉です。

私にはとても違和感があります。

床矯正というのは、床装置を使った矯正治療のことを言っているのでしょう。

床装置とは、装置の主体がレジン床という樹脂で出来ているものです。

床装置というのは、沢山ある、無数にあると言っても良いくらいですが、矯正装置の中のほんの一部のものです。

床装置は患者さまにとっては取り外しが出来て楽な装置です。

外したい時に外せるので楽ですよね。

調整もそんなに難しくありません。

なので、矯正技術の無い一般歯科の先生が床矯正という言い方をして使っているようです。

テレビや他のメディアで「床矯正」として情報を流しているので、矯正医からすると違和感のある言葉が出来てしまったようですね。

床装置は私も使っていますが、治療の過程で部分的に使っているだけです。

床装置が最良と思われる場面で使っています。

床装置だけですべて治すなんて絶対にしません。

というより有り得ません。

もっと良い装置が他にあるのです。

その、他の装置を使える技術の無い素人の方が床装置だけで無理に治そうとするから問題なのです。

そもそも、治療ゴールの設定がまったく違います。

床矯正がとても良いものなんだと思い込んで冒頭の方はお電話を下さったのでしょうね。

メディアって、情報って怖いですね。


せごし矯正歯科医院

2011年5月26日

前回の続きです。

アンキローシス(ankylosis)

かなり厄介なアンキローシス(ankylosis)ですが、ただ、アンキローシス(ankylosis)はそんなに高い頻度で起こるものではありません。

稀です。

それから検査時にアンキローシス(ankylosis)しているかどうかを必ず調べています。

確定診断は出来ないかもしれませんが、打診と言ってミラーやピンセットなどで歯を叩いた時の音で分かるのです。

音で分からなくても患者さまご自身に響いた感じをお聞きしています。

もし、アンキローシス(ankylosis)していると正常な歯よりも強く響くのです。

叩いた時は、金属音という言い方をしますが正常な歯とは違う音がするのです。

正常な歯は歯根膜がクッションの働きをしてくれるので、そんなに響きません。

上下の歯をカチカチと強く咬み合わせても頭には響きませんよね。

歯というのは体の中で一番硬い組織です。

上下の歯と歯をぶつければ強く響くはずです。

でも実際には響きません。

それは歯根膜が存在しているからです。

話を戻しますが、検査の段階でアンキローシス(ankylosis)を起こしていないことを確認してから治療に入るようにしています。

矯正治療途中にアンキローシス(ankylosis)が起こってしまったらアウトですが・・・。

でもそれはかなり稀の稀です。

私は経験ありません。

せごし矯正歯科医院

2011年5月24日

今回はアンキローシス(ankylosis)につてです。

これは起こって欲しくないものです。


歯は歯冠と歯根に分かれています。

歯根は歯槽骨という骨に埋まっています。

歯根と歯槽骨はくっ付いているわけではなくて、歯根膜という靭帯が介在しています。

歯根は歯根膜に覆われているのです。

歯に矯正力を加えると、この歯根膜の中に骨を溶かす細胞と骨を作る細胞が出てきて歯が動きます。

アンキローシス(ankylosis)とは歯根と歯槽骨の癒着を意味します。

置換性骨吸収という言い方もしますが、少しずつ歯根が歯槽骨に置き換わって行くのです。

歯根と歯槽骨がくっ付いてしまうと矯正力を掛けても歯は動きません。

癒着部分が少ない場合は無理矢理に力を掛ければ癒着が剥れるかもしれませんが、そもそも矯正治療では弱い力で少しずつ歯を動かしていきます。

なので、アンキローシス(ankylosis)が起こっていると矯正治療が出来なくなる可能性が出てきます。

歯の周囲の歯槽骨ごと外科的にカットして動かすなんていう方法もあります。

困ってしまいますね。

つづく。

せごし矯正歯科医院


関連ブログ
アンキローシス(ankylosis)続き

2011年5月22日

セットアップについては以前にも書かせて頂きました。
成人矯正の方には診断時にセットアップ模型をお見せしています

しかし、最近になってセットアップの重要性を再認識させられています。

セットアップを作ることによって診断が変わることがあるのです。

抜歯しようと思っていたのにセットアップを作ることによって抜歯しないことになったり(非抜歯という言い方をします)、抜歯部位が変わることがあるのです。

セットアップって作るのかなり大変なんですけどね。

でも、やっぱり大切だなぁ、セットアップ。

せごし矯正歯科医院

2011年5月20日

タングガード(Tongue guard)は開咬の治療に使う装置です。

名前の通り、舌をガードする装置です。

開咬は舌癖が原因になっているので、その原因の舌をガードしてしまおうという装置です。

お子さまの治療で使うものです。

関連ブログ
開咬(open bite)
悪習癖(不良習癖)②舌癖(舌突出癖・弄舌癖)

一般的なタングガード(Tongue guard)は固定式のもので取り外しが出来ません。

違和感がかなりあるので私は取り外しの出来る可撤式の物を使うようにしています。

オリジナルのシンプルなデザインの装置なのですが、舌をガードするというよりは舌のトレーニングを主目的にした装置です。

舌が正常な機能を取り戻したら装置が無くても開咬にはなりませんからね。

効果を確認出来たので、機会があればどこかで発表したいと思っています。


せごし矯正歯科医院

2011年5月19日

前回のブログで拡大床(expansion plate)について書かせて頂きました。

側方拡大には、緩徐拡大(slow expansion)と急速拡大(rapid expansion)の2種類があります。

今回はそのことについて書かせて頂きます。

前回の拡大床(expansion plate)は緩徐拡大(slow expansion)装置です。

歯に拡大力が伝わるものです。

骨格的に作用するものではありません。

弱い力でゆっくりと広げていきます。

緩徐拡大(slow expansion)装置には取り外しの出来ない固定式のものもありますが、拡大床(expansion plate)のように取り外しの出来る可撤式のものが多く使われています。

それに対して急速拡大(rapid expansion)装置は固定式の装置なので取り外しが出来ません。

強い力で骨格的に作用させる装置です。

拡大床のようにネジが組み込まれていて、ネジは1日に2回、朝と夕方に回します。

これを2週間続けるのが基本です。

一気に広がります。

正中口蓋縫合という所を開いて上あご自体を大きくするものです。

基本的にはお子さまの治療で使うものですが、違和感が強い装置なので、私はあまり使いません。

というよりも、ほとんど使いません。

どうしても必要な時にのみ、使うようにしています。

せごし矯正歯科医院

2011年5月18日

拡大床(expansion plate)は取り外しの出来る(可撤式の)側方拡大装置です。

側方拡大とは、簡単に言えば、いわゆる「あごを広げる」ということですね。

拡大床(expansion plate)は主にお子さまの治療に使います。

乳歯から永久歯に生え変わる時に、永久歯の生えてくる隙間が足りない場合があります。

その時に歯列を少し広げてあげると隙間に余裕が出来るのです。

拡大床(expansion plate)にはネジが組み込まれています。

そのネジを1週間に1回のペースで回すのが基本です。

1回ネジを回すと約0.2ミリ拡大されます(拡大量はネジの種類によって前後します)。

無理なく拡大が出来る装置です。

24時間の使用が理想ですが、しっかり使って頂ければ夜に寝ている間だけの使用でも十分効果は期待出来ます。

せごし矯正歯科医院

2011年5月17日

人によっては、歯の大きさのバランスに問題がある方がいらっしゃいます。

上の歯の大きさが下の歯の大きさに比べてバランス的に大きい方や、逆に小さい方がいらっしゃいます。

左右で歯の大きさに違いがある方も珍しくありません。

私は永久歯列で矯正治療をする場合はセットアップ模型を作るのですが、このセットアップ模型を作ると歯の大きさのバランスが明らかになります。

歯の大きさのバランスって微妙なものなのでセットアップ模型を作らないと分からない場合があります。

前回のブログで書かせて頂きましたが、通常の矯正治療では臼歯のⅠ級関係を作ることを考えます。

アングル分類(Angle's classification)

ただ、この歯の大きさのバランスが取れていないと治療ゴールを「Ⅱ級気味のⅠ級」や「Ⅲ級気味のⅠ級」に設定する必要が出てくるのです。

この際に、特に上下の大きさのバランスを数値化するものがtooth-size ratioです。

Tooth-size ratioは厳密に言うと、anterior ratioとover-all ratioに分かれます。

Anterior ratioは前歯6本の大きさのバランスを見るものです。

Over-all ratioは6番目の歯である第一大臼歯までの大きさのバランスを見るものです。

下の歯の大きさの合計値を上の歯の大きさの合計値で割り算してパーセンテージとして表します。

Anterior ratioは約78%、over-all ratioは約91%が正常な値です。

上の歯が下の歯に比べて大きい場合は値が小さくなり、下の歯が大きい場合は大きな値になります。

せごし矯正歯科医院

2011年5月14日

永久歯列で矯正する場合、私たち矯正医は臼歯のⅠ級関係というものを考えます。

アングルⅠ級、またはAngle classⅠという言い方をします。

アングル分類は上の6番目の歯である上顎第一大臼歯を基準にした咬み合わせの見方です。

上下の第一大臼歯が正常に咬み合っているものをⅠ級と言います。

上の6番に対して下の6番が遠心(後ろ)にあるものをⅡ級、近心(前)にあるものをⅢ級と言います。

近心と遠心

出っ歯(上顎前突)はⅡ級、受け口(下顎前突)はⅢ級になります。

6番がきれいにⅠ級で咬んでいると矯正治療することで前歯の咬み合わせは自然ときれいになります。

ただし、歯の大きさのバランスが取れている場合の話です。

この続きはまた次回に書かせて頂きます。


せごし矯正歯科医院

2011年5月13日


前回は小臼歯に見られる中心結節のお話でしたが、今回は上顎大臼歯、特に第一大臼歯に最も多くみられる「カラベリ結節」です。

カラベリ結節は専門的に言うと「上顎大臼歯の近心舌側咬頭の舌側面」に見られる異常結節です。

要は、上の奥歯の内側に出来るボコッとした膨らみです。

これは上顎のみに見られるもので下顎には見られません。

このカラベリ結節は中心結節のように咬合面に出来るものではないので危ないものではないのですが、矯正治療ではとても邪魔になるのです。

結節が邪魔して装置を良い位置に付けられないのです。

大きなカラベリ結節があると本当にやりにくいですね。


結節は他にも切歯結節、臼旁結節、臼後結節があるのですが、頻度としては少ないものです。

せごし矯正歯科医院

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院長 瀬越健介
www.segoshi-kyosei.com
【経歴】
平成9年 東北大学歯学部卒業 歯科医師免許取得
平成9年 鶴見大学歯学部附属病院 臨床研修医
平成10年 鶴見大学歯学部矯正学教室 臨床専科生
平成12年 鶴見大学歯学部矯正学教室 診療科助手
平成16年 鶴見大学歯学部歯科矯正学講座 助手
平成17年 日本矯正歯科学会認定医取得
平成18年 神宮前矯正歯科 勤務
平成20年 神宮前矯正歯科 副院長
平成22年 せごし矯正歯科医院開院